家具職人が教える「木の家具」と長く付き合う方法

みなさん、おはようございます。

木津川市・工務店 喜創のCo-fitコーディネーター・古田光です。

Co-fitとは、あなたのこだわりと個性にフィットする、喜創の新しい家づくりのブランドです。

私は、喜創と同じ木津川市に工房を構える家具職人でもあります。「ものづくり」から暮らしを支える職人コ－ディネ－タ－として、木製家具を中心とした空間づくり、DIYアドバイスなどをしています。

木製家具づくりのお仕事をしていると、「木っていいよね」とよく言ってもらえます。そこで、あなたにフィットした木の家具に出会って、長く楽しくお付き合いして欲しいという思いから、「木の家具の楽しみ方」をお伝えするcolumnを書いていこうと思います。

今回は、ご家庭でよくある家具のお悩みについて。今お使いの家具と向き合うことで、あなたの個性が見えてくるかもしれません。

よくある家具のお悩み

・掃除機をかける時、椅子が重くて大変。ホコリを掃除しにくい。

・椅子やソファ－がギシギシいう。座面がボロボロになってきてカッコ悪い。

・椅子が高くて座りづらい。机が低くて使いづらい。

・新築したお家に、今使っている家具は合う？合わない？がわからない。

・テーブルの角でよく身体をぶつける。

・テーブルの天板が反ってきた。ひび割れてきて困る。

・テーブルの塗装が剥げてきた。傷がついた。シミができた。

・箪笥の引出しが開かない。壊れた。

・食器棚の扉が、きちんと閉まらない。

・食器棚の奥行が広くて使いにくい。

座面がボロボロになってしまった子ども椅子

私が良く聞くお悩みを並べてみましたが、いかがでしょう？

あなたのご家庭にも思いあたるお悩みがあるのではないでしょうか。

4つの項目から家具の個性を知る

さて、これらのお悩みはなぜ生まれたのでしょうか？

お悩みを私なりに分析したところ、大きく4つの項目に分けることができました。

1）家具製法や素材について

2）木の種類や性質について

3）塗装の種類・方法について

4）家具のカタチについて

これら4つの項目について、知ること・考えることをせずに家具を選んでいませんか? それがあなたのお悩みを生む原因になっていると考えられます。

過去に私が相談を受けた事例をひとつご紹介します。

生まれ変わった子ども椅子

上の写真の子ども椅子は、「子どもたちの成長に寄り添ってくれた椅子たち。使わなくなったのだけど置いておきたいし、孫ができたらまた使いたいの。直せないかな？」というお母さまからご相談を受け、お直しさせていただいたものです。

この椅子を4つの項目にあてはめて言うと、「本体は無垢のナラ材のホゾ組み、塗装はオイル、座面はペ－パ－コ－ド。削り直し、塗り直し、貼り直しができる。背もたれと脚が一体となっている構造のためその接続部分に損傷がおこりやすいので、うんぬんかんぬん……」なんて、呪文のようになってしまいましたが。

ようするに、「よほどのことがないかぎり、修繕すれば長く使える」という、お母さまの想いにぴったりの個性を持っているということになります。

今回は、一部修繕と再塗装し、座面の編み方と色にアレンジを加え、並べて飾っておいても可愛い感じに仕上げ、「これで、飾っておいてまた使えるね」と、お母さまにもお喜びの声をいただきました。

このように、家具の個性を知ることで、「あなたが家具を選ぶ時に何を大切にしているのか」「どんな家具があなたに合っているのか」あなたの個性にフィットする家具と出会い、楽しくお付き合いできる方法を見つけることができます。

これらについては、今後の私のコラムでも詳しくご紹介していきますね。

木の家具の楽しみ方

私が木製家具を中心に製作する家具職人になったのかは、「木っていいよね」その一言に尽きます。

そんな私でも、引出しが開かない時は木の膨張にイライラするし、塗装が剥げて木の劣化がイヤになることもあります。

でも、イヤになったからと言って、買いかえるには勇気がいりますよね。家具って結構高価だし。せっかく出会った家具とは長く付き合っていきたいものですし。

そんな時は、買いかえることを断念して、修理したり、塗装しなおしたり、作り変えてみたりすることを考えてみてください。きっと、新しい気分でまた、楽しく付き合っていけるから。

木の家具のお悩み、修理、新築の家具のご相談などは、Co-fitコーディネ－タ－まで。