違いは何? 家具職人が教える「木の個性」
みなさん、おはようございます。
木津川市・工務店 喜創のCo-fitコーディネーター・古田光です。
Co-fitとは、あなたのこだわりと個性にフィットする、喜創の新しい家づくりのブランドです。
私は、喜創と同じ木津川市に工房を構える家具職人でもあります。「ものづくり」から暮らしを支える職人コ-ディネ-タ-として、木製家具を中心とした空間づくり、DIYアドバイスなどをしています。
前回のコラム
で、「4つの項目から家具の個性を知ることで、あなたの個性にフィットする家具と出会い、楽しくお付き合いできる方法を見つけることができます」と書きました。
今回は、その4つの項目の一つ「木の種類や性質」について。
家具作りで私がよく使う木や、みなさんの身近でもに使われている木を中心に、個性を探っていきましょう。
目次
針葉樹と広葉樹の違い
針葉樹
日本人にとって最も身近で親しみのある木と言えば、スギやヒノキ。
そのスギやヒノキは針葉樹です。
縦長の細胞が配列よく並んでいるので、材料として素直で使いやすく、比較的軽く強度もあることから、建築材料として多く使われています。
ただ、広葉樹に比べ柔らかくキズがつきやすいことから、曲線美を主張する椅子など、繊細な家具には向かないとされてきました。しかし近年では、その欠点を利点ととらえ、新しい技術をもって繊細な家具を作る職人さんもおられ、針葉樹の軽く、柔らかい肌触りの良さを感じる家具に出会う機会も増えています。
夏頃よりCo-fitコーディネーターとして関わらせていただいた10月1日オープンのパン屋さん「bakery+ arinomamma」の事例をご紹介します。
販売するパンの乾燥を防ぎたいというご要望があり、スギを使ったパンのショ-ケ-スを製作させていただきました。引き出し式のパンのお部屋を作って、その中に販売用のパンを保存しておくというものです。
スギは昔から、抗菌作用があり調湿性が高いと言われています。私も、木工仲間に作っていただいたスギの野菜保存箱を使用し、その効果を実感していたこともあり、このご提案に至りました。
日本には四季というものがあり、まだまだ年を通して効果があるとは言いきれませんが、まずはパン屋の店主から「効果がありそうだ」という報告をいただいています。
主に広葉樹を使った家具製作をしている私にとっては、スギは柔らかく繊細でキズつきやすく、かなり気を使いながらの製作になりましたが、その報告を受けてスギ家具をおすすめしたことに喜びを感じています。
bakery+ arinomammaの記事は以下にご紹介しています。
喜創が施工を手掛けたパン屋さん「Bakery+ arinomamma」が10/1(木)にオープンします!
広葉樹
ケヤキ、ミズナラ、カエデ、クリなど、たくさんの種類の広葉樹が身近に使われています。
広葉樹は針葉樹と比べると硬くて丈夫。そして重い。また、樹種によって様々な表情の違いが見られます。
私が家具製作で最近よく使うのは、ホワイトオ-クです。
ホワイトオークはアメリカ東部が原産のブナ科の落葉広葉樹で、ウイスキー樽の材料として多く使われ、加工していると少し甘く美味しそうな香りが心地良い。使うごとに黄身に渋みが加わり、落ち着いた風貌に変わっていくところが、私のお気に入りです。
赤っぽいものでは、ブラックチェリ-やアルダ-。白っぽいピンクものでは、ブナ。白っぽいグレ-ものではカツラ。
家具に使われる広葉樹の種類はかなり数が多いです。
柾目と板目の違い
柾目(まさめ)
木の断面に狭い真っ直ぐな縦縞模様が現れるのが柾目です。
目の通った柾目は、すっきりとした気持ちの良い表情を見せてくれます。
また、材木の四面とも柾目のものは、四方柾と呼ばれ、あばれる(反ったり、捻ったり、割れたりする、木の状況)ことが少ないので、箱型の家具に使われることも多いです。
中でも広葉樹の柾目は貴重で高価なものも多く、私の工房にもナラの柾目板が長年使うことなく保管場所を占領し、もったいなくてなかなか使う気になれないという困った事態を招いています。
板目
年輪が筍のような模様となって現れるのが板目です。個性豊かな板目の表情は、自然の作り出す芸術。
板目を使ったテ-ブルを製作する時の私は、お客様にフィットする表情を探り出すことに真剣になりながら、見ていて飽きないその表情にうっとりしたり、にやけたり。かなり怪しい感じになりますので、その様子は人様にあまり見られたくない姿かも知れません(笑)。
しかし、自由奔放な表情のものほど、自由奔放にあばれます。
そのあばれるのを抑制するため、家具や建具製作には様々な技術・手法が使われています。このことについては、詳しくまた次のコラムにて。
ただ、抑制しきれない場合も数多くあります。
そのことも愛おしく思ってくださる方には、無垢の木の板目のテーブルを私はオススメします。
木の種類や性質についてのまとめ
今回「木の種類や性質について」ということで、大まかな木の特徴などをお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?
家具に使われる木の種類はまだまだたくさんあり、私も知らないことが無数にあります。
そのすべてを知る必要はなく、ご自分が家具に望むことは何なのか?
テ-ブルなのか椅子なのか、箪笥なのか、の家具の種類。
リビングなのかダイニングなのか、和室なのか、の空間の表情。
キズがイヤなのか、重いのがイヤなのか、修理がイヤなのか、の機能の部分。
家具を選ぶ時に、例えば新築のお家を建てられて新しい家具を購入される時に。
ご家族やご自身の住まい方・暮らし方を含めて考えておく。
そのことがきっと、あなたの個性にフィットする家具と出会い、楽しくお付き合いできる方法を見つけるお役に立てるのではと、私は思っています。
※文献参考
設計の基本とディテ-ル「木のデザイン図鑑」
㈱建築知識(現在㈱エクスナレッジに社名変更)発行
京都府木津川市・奈良市で展開!ママの声を形にする住宅会社“らく住む”
喜創の新しい家づくりブランド「らく住む」が誕生しました。
5,000件以上の実績を誇る、女性インテリアコーディネーターと進める家づくりを是非ご体験ください。
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