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【木の家具の材質まとめ】製法、素材から特徴を知る

みなさん、おはようございます。家具職人・古田光です。

前回のコラム家具職人が教える「木の家具」と長く付き合う方法 で、「4つの項目から家具の個性を知ることで、あなたの個性にフィットする家具と出会い、楽しくお付き合いできる方法を見つけることができます」と書きました。

今回は、その4つの項目の一つ「家具製法や素材」について。
身近な家具に使われる材料や構造から、個性を探っていきましょう。

家具に使われる材料

まず、皆さんが目にする家具に、よく使われている材料を紹介しましょう。

無垢材

植わっていた木を伐採し、それを製材、加工したままの材のことを無垢材といいます。木本来の質感、風合いに魅力がある、化学物質を含まない自然素材です。
調湿作用があり、湿度によって伸縮する性質があります。

集成材

棒状の無垢材を接着し、板状にしたもの。
無垢材の一枚板に比べ、反りにくく品質が安定しています。
幅の広い板や長い板、厚い板など、経済的寸法で製造することができるのが特徴です。

キッチンのカウンタ-や、造り付けの棚などに使われているのを目にするのではないでしょうか。

合板

1~3mmにスライスした単板を繊維方向が互い違いに直交するように複数枚を重ね、貼り合わせて一枚に加工したもの。
節や割れが少なく、伸縮の少ない材料です。

ホ-ムセンタ-にドンと積まれていて、板状の材料の中では一番身近なもの。DIYの家具製作では欠かせない材料だと言えます。

繊維板(ファイバ-ボ-ド)

木材の繊維をパルプ化し、熱圧成型したもの。
MDFと言えば、耳にしたことがある方も多いのでは?

繊維板は密度によって区分され、その中で中質繊維のものがMDFと呼ばれ、テーブルの天板や棚の芯材などに良く使われています。
反りや乾燥割れが比較的少ないのが特徴です。

パ-ティクルボ-ド

木材の小片に接着剤を混ぜ、熱圧成型したもの。遮音性・断熱性が高く、低コストで大量生産しやすいのが特徴です。
お手頃価格で販売されているカラ-BOXなどの箱物家具に多く使われています。

近年では、OSBと呼ばれるボ-ドが、その表情の面白さから内装のDIYに好んで使われているようです。

しかし、水分を吸いやすく膨張しやすい性質があるため、表面にシ-トを張ること、丁寧な塗装をすること、といった利用の注意が必要とされます。

板材の構造

家具を構成する部材には、机の脚などの棒状のものと、棚などの板状のものがあります。すべて無垢材で構成されている板状ものは重く、湿度伸縮による割れなどもあり、扱いにくいとされています。そのため、板状の部材には、構造に工夫されたものが多く使用されます。

フラッシュ構造

フラッシュ構造とは、MDFや天然木で狂いの少ない材で枠を組み、その両面にボ-ド(表面材)を貼った構造。

ボ-ド(表面材)の種類は多種に及び、天然木化粧合板(天然木をスライスした、つき板が張られた合板)、プリント合板(木目などの模様を印刷した紙が張られた合板)、メラミン樹脂化粧板などがあります。

ハニカム構造

フラッシュ構造の枠以外の空洞部分に、ハニカム(ハチの巣)構造になっているダンボ-ルが入っているものを言います。

ベタ芯構造

MDFや天然木で狂いの少ない材などを芯材に、つき板やプリント紙が直接張られた空洞部の無い板のことです。

無垢材家具とフラッシュ家具

無垢材家具とは、植わっていた木を伐採し、それを製材、加工したままの材で出来ているもの。

フラッシュ家具とは、芯になる材料の外側をつき板やシートでくるんで仕上げたものを指します。

無垢材家具

芯まで無垢材の家具の多くは、使い込むことで風合いが出て存在感が増し、壊れてしまった時に、修復できるものが多いのが特徴です。また、木それぞれに表情の違いがあり、家具一つ一つに豊かな個性が見られるのが魅力です。

フラッシュ家具

面材に狂いが少なく加工性に富むため、大量生産に向きます。
タンスや食器棚などの側面、テ-ブルの天板などの、広い平面を有する部材にフラッシュの構法が使われ、狂いが少ないことや、軽いことが魅力とされています。

家具製法や素材についてのまとめ

まずは、ここまで読んでいただいた方々に感謝します。
と、言うのは、事典を見れば書いてあるようなことを並べただけの内容ですので、読んでいても面白いものでは無かっただろうと思ったからで(笑)。

ただ、今回お伝えしたかったことは、「無垢材家具かフラッシュ家具か、どっちが良い?」という質問をされることがありますが、それにお答えすることは難しいということです。

私は無垢材家具を主に作っていますが、お客様から求められる機能や用途によって、集成材を使う時もあれば フラッシュ構造を部分的に採用することもあります。

そう。家具製法や素材を掛け合わせることで、無数の種類の家具ができあがり、良きも悪きもそれぞれ個性を持っています。

前回コラムにも同じことを書きましたが、繰り返しますね。

ご自分が家具に望むことは何なのか?
テ-ブルなのか椅子なのか、箪笥なのか、の家具の種類。
リビングなのかダイニングなのか、和室なのか、の空間の表情。
キズがイヤなのか、重いのがイヤなのか、修理がイヤなのか、の機能の部分。
家具を選ぶ時に、例えば新築のお家を建てられて新しい家具を購入される時に。
ご家族やご自身の住まい方・暮らし方を含めて考えておく。

そのことがきっと、あなたの個性にフィットする家具と出会い、楽しくお付き合いできる方法を見つけるお役に立つと、私は思っています。

これは余談になりますが。
近頃のテーブルの天板は、総無垢なのかフラッシュなのか、見た目で分からないものが多く、持ち上げてみても分からない。店員さんに素材を確かめても、まだ疑いが残ったままの気持ち悪い状態が残って、私はテ-ブルを切断して確認したい衝動に駆られます。
「フラッシュの技術が高くなりすぎだ!」と、見分けがつかない自分の未熟さを棚に上げて悔しがる今日この頃。

家具屋さんに足を運んだ際には是非、あなたも確かめてみてください。


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