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外干しと部屋干しを使い分けよう!洗濯環境を考えた家づくりのポイント

外干しと部屋干しの使い分け

洗濯物を干す時は、外干しと部屋干しの使い分けが必要となります。一般的には時期などによる使い分けや天気による使い分けがありますが、それ以外に必要に応じた使い分けが必要です。

株式会社喜創 高橋社長 

この記事を書いた人:代表取締役 高橋成光
2級建築士。木津川市南加茂台の住宅開発に関わり、住宅建築メーカーの下請けで施工管理の基礎を学ぶ。その後、地元工務店にて分譲事業・不動産事業の立ち上げに携わり、2019年7月1日「株式会社 喜創」を設立。「安全で長く住んでいただける家をつくること」をモットーに、京都府南部や奈良県北部の注文住宅建築を手掛けている。

時期などによる使い分け

時期などによる使い分けでは、太陽による日射量を把握しておくことが必要となります。

太陽による日射量は季節により異なり、また時間によっても異なります。太陽の高度は夏場の時期に最も高くなり、その季節の日射量が最も多くなります。

夏場は気温が高くなる事で外干しの方が乾きやすいことは明白です。

但し、夏場はゲリラ豪雨や台風など大気が安定しない事も多々あるので、その日の天気などをしっかりと確認してから、外干しを選択することがオススメです。

一度乾かした洗濯物が濡れてしまうと、再度洗濯しないといけない羽目になり、時間や手間が余計に取られてしまいます。

冬場に関しては気温が低くなりますので、どうしても外干しだと乾くのが遅くなります。

その点部屋干しは、乾くのに時間が掛かる反面、あまり夏場や冬場等の季節を考慮しなくてよい洗濯環境がつくれます。

そういった時期による気温の変化や天気の変わりやすさなどを考慮して、外干しするか、部屋干しするかを選んでいく必要があります。

室内干しスペースになる2階ホールのある家

天気による使い分け

天気さえよければ、洗濯物は外干しの方が適しているといえるでしょう。但し急に天気が崩れてしまうと、その優位性は一気に逆転しまいます。

衣類が雨に濡れてしまうと、その後に乾かしても雑菌が増え、嫌な臭いの原因となってしまいます。

カラッと晴れた日に洗濯物が干せると、紫外線による雑菌の除去などが出来る事や乾くまでの時間が短いなどメリットがある事だけではなく、雨が降った時のデメリット等を考えて外干しする事を考える必要があります。

逆に部屋干しは雨の日でも気にせず洗濯物が干せる事がメリットです。 しかしただ室内に干せば良いと言う事だけでは無く、干す環境を作ったり除湿機などを使った湿気の除去等を考えないといけません。

ただ室内に洗濯物が干せる環境があれば、家を明けている時の急な雨などを気にする必要が全く無いので安心して家を空ける事ができます。

外干しのメリット・デメリット

外干しは一戸建ての場合は容易に場所を確保することができます。庭付きの場合は陽が足りの良い場所に物干しのスペースを設けることで、ストレスなく洗濯物を干すことができます。

但しプライバシーの問題で外干しを嫌がられる方もおられるのが現実です。そういったメリットやデメリットを理解しておかないと、家を買った時に後悔する事があります。

紫外線による殺菌効果

紫外線による殺菌効果が期待できることは、生活の衛生を保つ上で必要なことです。紫外線による殺菌効果は大きく、細菌類は大半が死滅します。天気が良い場合は単に洗濯物を乾かすだけでなく、布団などの厚手の寝具を干すのにも有効となります。

小さいお子様がいる家庭ではこういった細菌類のケアは気になる箇所でもあり、天気がいい時にお子様が使う寝具を干せればお子様に対してのケアにもなります。

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生乾きによる臭いの発生を抑えられる

天気の良い日に外干しする事は、生乾きによる臭いの発生を抑えられるメリットがあります。

洗濯物の生乾きは気持ちが悪く、衛生上も良いものではありません。但し生乾きは外干しでも、日射量が低い冬場や、湿度の高い梅雨の時期だと起こりやすい事なので注意が必要です。

人間は寝ている時にコップ一杯分の汗をかくといわれていますので、布団などの寝具は以外と水分を含んでいます。 その汗が蒸発せず蓄積されると雑菌の繁殖による臭いが発生します。定期的に寝具なども外に干し水分を蒸発させることで、臭いの発生を抑えましょう。

天候によるメリット・デメリットは両方がある

天候によって、メリット・デメリットは両方があるので、その内容を知ることが大切です。

晴れた日のメリットが大きいことは経験上からよく知られています。天気が良い時は洗濯物の乾きが早く、特に夏場は厚手のものでも短時間で乾いくれます。

しかし天気が悪い日はまず中々洗濯物が乾きませんし、雨が急に降ってきて洗濯物が濡れてしまうと、洗濯のやり直しにも繋がってしまいます。外出していると、天気が悪くなるにつれて不安も募ってきますし、洗濯物の事ばかり考えはじめてしまいます。

そういった精神的ストレスの事もあり、外に干す場合は必ず事前にその日の天気は確認する必要があります。

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花粉や黄砂などが付着する

外干しは多くのメリットがある一方、デメリットもあります。中でも花粉や黄砂などが付着することは大きなデメリットと言えるでしょう。花粉や黄砂はせっかく干した洗濯物を台無しにしてしまうので、精神的なダメージも大きくなります。市街地の場合はクルマの排気ガスによる大気汚染の影響もあり、必ずしも外干しが万能とは言えなくなってきているのです。

家族が花粉症を発症していなくても、その衣類についた大量の花粉のせいで花粉症を発症するケースもあります。なるべく花粉や黄砂が多い季節の、外干しは控えるようにしていく事がオススメです。

バルコニーで干す時の注意点

外干しは建物に付随したバルコニーで行うこともあります。

その中でも1階に設けるバルコニーを利用する場合は問題が生じ難いと言えます。しかし、2階のバルコニーは様々な問題が発生します。2階のバルコニーを物干しに利用することは可能ですが、問題点を把握した上で設置することが大切となります。

2階のバルコニーは1階から利用しにくいところがあるので注意が必要で、一般には洗濯機は1階に設置されているケースが多く、洗濯物を干す場合は2階まで運ぶ必要があります。若いうちはできても高齢となったときは利用できないことも、考えておく必要があるでしょう。

2階のバルコニーは便利な点もありますが、雨漏りの発生しやすい場所でもあります。2階のバルコニーは床を強度の高いプラスチックFRPなどでつくるので、当初は雨漏りの発生を抑えることができます。しかし、経年劣化により材料がもろくなった場合に雨漏りが発生する場合があり、2階の真下に1階の部屋がある場合は特に雨漏りの対策が必要となります。

バルコニーを物干しに利用する場合は、物干し金物の設置が必要です。 物干し金物は初めから設置しておくほうが良く、新築の場合は工務店等の業者に依頼する必要があります。物干し金物はバルコニーの手すりに設置するものと天井から吊るすものがあり、選択が必要です。外干しは物干しには適切な方法ですが、その場所を選択する場合は十分な注意が必要となります。若いうちだけでなく、高齢となってもストレスなく利用できる場所が好ましいと言えます。

部屋干しのメリット・デメリット

部屋干しの場合も外干しと同様にメリットもデメリットもあります。

メリットとデメリットを把握しておくことにより、適切に洗濯物を干すことが可能です。部屋干しのメリットは天候や時間に左右されないことや、花粉や黄砂が付着しないことがあります。一方、デメリットは除湿機等を使わないと嫌な臭いが発生する時があることや、洗濯物を干すスペースを考える必要があることなどが挙げられます。部屋干しをする場合はこれらのメリットとデメリットを正しく把握する必要があるでしょう。

天候や時間に左右されない

部屋干しが必要となるのは現代の生活の仕方が関わっています。現代は家族が家にいることが少なくなり、日中に外で干すことが難しくなったなどの事情も考えられます。部屋干しのメリットに挙げられる天候や時間に左右されないことは、現代社会で特に役立ちます。朝早くから夜遅くまで干しておくことが可能なので、仕事や学校での用事を優先させることが可能な事が大きなメリットと言えるでしょう。

また夜の間でも気軽に洗濯物が干せたりと、生活リズムに合わせた洗濯物の干し方が可能です。

花粉や黄砂が付着しない

花粉や黄砂が付着しないことで、洗濯物の二度洗いの心配がなくなり、家人の負担を増やさないことや、花粉症の方の家での症状緩和にも約立ちます。花粉症の人からすれば折角洗濯した衣類が花粉だらけでは、症状の悪化につながる大問題です。

ですが、部屋干しすることで、花粉や黄砂が付着することが無いと分かっているだけで、気分的にも楽になります。

どうしても外干しすると花粉や黄砂、場所によっては排ガスなどの臭いなどが衣類に付着してしまうので、そういった事が気になる方は部屋干しのメリットはかなり大きく感じれるはずです。

除湿機等を使わないと嫌な匂いが発生する時がある

デメリットとしての除湿機等を使わないと嫌な臭いが発生する時があることについては、干す場所によっても変わります。部屋干しでも日光の当たる場所に干した場合は嫌な臭いは発生しにくくなります。しかし、北側の日当たりの悪い場所に干した場合は、嫌な臭いが発生しやすくなるでしょう。

部屋干しに適切な方法は様々ですが、浴室換気暖房乾燥機の普及で、効果的な物干しが可能となりました。建築基準法では新築の住宅に24時間換気を義務付けています。これは、ホルムアルデヒドなどの有害物質を排除し、シックハウス症候群の発生を抑えることが目的とされています。24時間換気は機械換気が必要となり、部屋ごとに付ける場合と家全体を集中して換気する場合に分かれます。その中で家全体を換気する場合は浴室に換気扇を付ける方法が効果的です。浴室に設置する換気扇に暖房と乾燥の機能を持たせた商品が開発されるに至り、その利用が進みました。浴室は洗濯機置き場に隣接している場合が多く、洗濯物を乾かす場所として適しています。常時換気することにより湿気の充満も抑えられ、物干しに最適な環境を提供してくれます。

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洗濯物を干すスペースを考える必要がある

部屋干しは洗濯物を干すスペースを考える必要があることは、デメリットとも言えますが、注文住宅を工務店等の業者に依頼する場合、適切に対処することでメリットに変化します。

部屋干しを想定しない場所で実際に干すことになった場合は、太陽の向きや除湿対策等の様々な問題が発生することになります。

部屋干しの候補となる場所としては、1階では居間や洋間があり、南に面した部屋がメインとなります。2階ではホールや廊下の他、洋間なども候補と考えられます。

いずれにしても、部屋干しをする予定の部屋に物干し金物を後から設置するのは大変です。初めから部屋干しに使うことを想定してあれば、物干し金物の設置などの対策をすることができますから、部屋干しを新築時点から想定し、そのために必要な用意をしておくことは極めて効果的なことです。

2階の南面にある廊下やホールを物干しのスペースにすることは、使い勝手が良い方法と言えます。2階は時間をかけて物を干すのに適しているので、1階の物干しスペースと使い分けると良いでしょう。2階は本来日当たりが良いので、窓を大きく取ることにより、物干し場の機能を持たせることができます。2階にクロゼットを設けて、衣類などの収納に使うことにより、物干し場とのコラボも効果的となります。

洗濯機の置き場所のポイント

洗濯機の置き場に決まりはありませんが、通常は洗面所に設置されるのが一般的です。

理由としては浴室が隣接してあれば、脱衣の時に洗濯物として出すことができるのが大きな理由で、洗面所と浴室を隣接させることで水回りをコンパクトに集中でき、設備配管を合理的に行うことができます。

洗濯機をキッチン付近に設置する方法もあります。キッチンは主婦が作業を行う時間が長い場所なので、洗濯機を付近に設置することで家事の負担を減らすことからキッチン付近に設置する家庭もあります。

さらには洗濯機を南面に設置する方法もあります。

家を建てる場合は南面は主にリビングや洋間が占めることが多く、水廻りを設置するのは珍しいことです。しかし、洗濯機置き場と物干しをする南面の庭を接近させることにより、洗濯と物干しに費やす時間は大幅に節約できます。洗面所や浴室を南面に設置するのは良くないとされていることから、洗濯機を単独でテラス等に設置するのが良いでしょう。

まとめ

部屋干しは家づくりの段階からスペースを確保する

外干しは適切な庭があれば可能となりますが、部屋干しは家づくりの段階からスペースを確保する必要があります。家づくりの段階で部屋干しのスペースを考えておくことで、部屋干しを効率的に行うことができます。

物干しは洗濯や収納と合わせて考えることもできます。それぞれの部屋の動線を短くし、効率的な作業をすることも可能ですが、戸建て住宅程度の広さであれば、室内の動線はどこに行くにしても短いと言えます。洗濯や物干しに使う動線は、離れていても負担にはなりにくいのです。長い動線を負担にならなくするためには、回れる家とすることが有効となります。

さらには家の中では干した洗濯物をたたむスペースも必要です。

特に部屋の用途が特定された洋風の家では、専用の作業スペースが必要となります。その点では和室は多用途に使うことができるので便利です。和室を設ける余裕がない場合でも、居間の一部を畳敷きにすることで、洗濯物をたたんだりすることができます。

2階では様々な使い方ができる多用途なホールの設置が望まれます。ホールは南面に設置し、物干しが可能なスペースをつくります。子供が小さい時には個室として使うことができる便利なスペースとすることが可能です。

外干しと部屋干しを効果的に使い分ける

外干しと部屋干しを効果的に使い分けることは、効率的な家事にとって必要となります。

外干しは大きな衣類やシーツなどを干すのに便利で、部屋干しは小さな干し物に使えます。さらに、外出が多い家庭では外干しより部屋干しを多用することで、雨の心配をすることなく干すことができます。外干しと部屋干しを効果的に使い分けることで、より多くの洗濯物を処理することが可能となり、家事は効率化することでしょう。

家の中でも洗濯と物干しは食事作りと並んで快適な空間が必要となり、特に主婦がこれらの仕事を担当する場合は快適な空間を用意することが求められます。現在の住宅は客間などの外向けのスペースが求められなくなっているので、家人の作業スペースを充実させる事のほうが重点をおかれています。

昔の日本家屋では外部と内部をつなぐ縁側の存在が大きかったと言えますが、家は内部と外部に分けることができない作業も発生します。そのことを快適に処理するためには、昔の住まいで用いられていた知恵を採用することも効果的です。


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